はじめに
ときおり、公務員は雇用保険が適用ないからツライ...仕事ヤメレナイ...
といったことを耳にします。
確かに公務員は雇用保険の適用対象外であるため、退職後の「基本手当(いわゆる失業保険)」は受給できません。
なぜなら、公務員は一般企業と違い、会社の倒産ということがないので失業する可能性が低いからです。
とはいっても、キャリアアップ等で退職することもあり得ます。
そのため、公務員には国家公務員制度の「退職手当」は受給することができます。
この退職手当の支給要件は、会社員が受給できる失業保険とほとんど変わりはありません。
そこで今回は公務員の退職手当と一般会社員の失業保険の支給要件及び支給額を比較していきたいと思います。
支給要件
退職手当(公務員)の支給要件
- 原則として、勤続期間が12月以上で退職した職員であること。
- 退職手当の額が、雇用保険法の失業等給付相当額に満たないこと。
- 原則として、退職の日の翌日から起算して1年の期間内に失業(注1)していること。
- 待期日数(注2)を超えて失業していること。
なお、失業者の退職手当のうち最も一般的な、雇用保険法上の基本手当(注3)に相当する退職手当は、次の支給額算定基準に基づき算定されます。
- (注1)失業とは退職後、労働の意思及び能力を有するにもかかわらず、職業に就くことができない状態にあることをいいます(雇用保険法第4条第3項)。したがって、単に働いていないという状態は失業とは認められません。
- (注2)退職時に支給された退職手当を下記の基本手当に相当する退職手当の先渡しとみなして、基本手当相当額の何日分に当たるかを計算した日数です。
- (注3)雇用保険法上、一般被保険者が離職し失業状態にある場合に、求職活動をする間の生活の安定を図るために失業している日について支給される求職者給付をいいます。
<引用>内閣官房 失業者の退職手当の支給要件及び支給額算定基準
なお、国家公務員と地方公務員の基本的な支給要件は同じです。
失業保険(会社員)の支給要件
- 雇用保険の被保険者が原則として、離職の日以前2年間に被保険者期間が通算12か月以上あること。
※ここでいう1月は賃金の支払の基礎となった日数が11日以上または80時間以上の月をいいます。 - 原則として、退職の日の翌日から起算して1年の期間内に失業(注)していること。
- 待期期間7日を超えて失業していること。
- (注)失業とは退職後、労働の意思及び能力を有するにもかかわらず、職業に就くことができない状態にあることをいいます(雇用保険法第4条第3項)。したがって、単に働いていないという状態は失業とは認められません。
比較してみていかがでしょうか?
公務員の退職手当と会社員の失業保険の支給要件に大きい差はないことが分かりますね。
支給額
当たり前ではありますが、公務員の退職手当の方が会社員の失業保険よりも高額となります。
それぞれ位置づけが違いますから当然ですね。
会社員は企業の退職金も受け取れることもので、両者の額を精確に比較することは難しいでしょう。
両者を比較できることとすれば、支給額の条件でしょう。基本的に支給額は両者ともに
- 勤続年数
- 退職理由(自己都合または定年退職)
- 退職時の年齢
- 退職前の給与額
で決まります。
退職手当(公務員)の支給額
退職手当 = 基本額 + 調整額
となります。
基本額 = 退職日の俸給月額 × 支給率(0.5022~47.709)
支給率は退職の理由と勤続年数で異なります。
退職の理由別でみると自己都合退職よりも定年退職の方が支給率は高くなります。
勤続年数別でみると、自己都合退職の場合は43年以上で最大となり、定年退職の場合は35年以上で最大となります。(最大はいずれも47.709)
また、調整額は役職によって上乗せされる額という位置づけです。
この調整額は県によって異なります。
まとめると、
退職手当 = 退職日の俸給月額 × 支給率(0.5022~47.709) + 役職による上乗せ
ということになります。
<参考>支給率早見表
失業保険(会社員)の支給額
失業認定日に基本手当日額(賃金日額 × 45~80%)の28日分支給されます。
賃金日額とは退職月前6月間の給与総額(ボーナス除く)÷180となります。
つまり、退職前6月間の給料の1日平均の45~80%が支給されるということです。
公務員の退職手当とは位置づけがまったく異なりますから、もちろん公務員の退職手当よりは額は少ないです。
また、支給期間は原則90日ですが、特別な理由での退職や就職が困難な者の場合は最大で360日分受給可能です。
まとめ
公務員の退職手当と会社員の失業手当を比較してみました。
そもそも退職手当は一般企業で言う退職金のようなものなので、当たり前ですが、失業保険よりは額が多くなります。
しかし、勤続年数が短い場合は失業保険よりも少なくなってしまう場合もあります。
その場合は最低保証として、その差額分を受給することもできます。
退職手当は位置づけとしては定年退職の際に受け取るのが一般的ですが、もちろん自己都合退職の際にも受け取ることができます。
今後のキャリア形成や退職後の資金管理の参考になっていただけたら幸いです。